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散髪行って来た。ついでに銭湯にも行って来た。


さてさて、そろそろ(数ヶ月ぶりに)賢いこと書いとかないと知性を疑われる時期なので、今話題の日本航空再建問題について、ちょっとだけロースクール生としてコメントしたいと思います。
コメントと言ってもいちゃもんの類ではなく、皆さんが新聞読んでて躓きそうな言葉とかの解説…をしたかったんだけど、たぶんそこまで知識は無いからイメージみたいなものを伝えられれば幸いです。




今日だったか昨日だったか、日本航空が法的整理をすることに決まりました。
そもそも法的整理って何?って話なんですが、その前に倒産というものについて、おそらく皆さんは言葉だけ知ってるような状態だと思われるので、そこからコメントしたいと思います。(Dくんは知ってると思うんだけど。銀行だし。)
正確な用語は期待しないでください。

倒産とは、企業(や個人)がお金を継続的に返せなくなってる状態、ま、簡単に言えば借金で首が回らない常態だと考えればいいです。
これくらいのイメージはあると思います。
一番分かりやすいのは手形の不渡りですね。
企業は材料の仕入れとかの際の支払いに手形を振り出すんですが、それが決済されなくなる状態です。
要するに金が払えないと。

この倒産という状態に企業がなった場合に出てくる法律が倒産法です。
と言っても、「倒産法」という名前のついた法典はありません。
破産法や民事再生法、会社更生法、その他会社法や民法の中の諸規定を総合して倒産法という法分野が形成されてます。
ちなみに、行政法という言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、やっぱり「行政法」という法典も存在しません。

で、倒産法ですが、今回の日航の場合、プレパッケージ型の会社更生法が活用されるようです。
それはともかく、倒産という状態になったとき、倒産法を使うとどうなるかを、破産を例にして説明します。

企業がお金を返せないとなると、裁判所に行って破産手続の開始申立てをします。
で、裁判所が破産法の適用があるかの要件を検討し、適用があると判断すれば、破産手続の開始決定を行います。
これがあるとこの企業についての債権者(お金貸してる人とか、売買取引をしてお金を払ってもらってない人)は、個別にお金を払ってもらえなくなります。
その後、破産管財人という、企業の破産を取り仕切る人が裁判所により選任されます。
そして、債権者に債権を届けさせ、企業の財産を把握した後、それぞれの債権額に応じて配当をしていきます。
これで終了。

要するに、破産手続が開始されると、管財人が企業の財産をみんなに平等に分配していくわけですね。

これが倒産の典型例。
再生型の手続(民事再生法や会社更生法)はもうちょっと面倒。
再生型の場合は、企業の財産を分配するのではなく、企業を存続させて、そこから得られる収益で債権者に分配していくという形をとります。
ただ、今の状態(借金で首が回らなくなってる状態)だと営業を続けていくことが困難なので、債権者にお願いして、借金額を減らしてもらったり(免除)、分割払いにしてもらったりして、企業活動を続けていけるようにします。
具体的には再生計画を立てて、それに債権者の過半数が同意すれば、債権者全員の債権額が一定割合で免除になります。
たとえば、債権額の60%カット、10年にわたって分割払いにする、というように。


これが倒産のイメージです。
お金返せなくなった人が、債権者の協力を得ながら借金を少しでも返していくという感じです。


以上がいわゆる「法的整理」です。
破産法であれ、民事再生法であれ、会社更生法であれ、法律を使って処理していきます。
ただ、どの手続にも共通するのが裁判所の関与。
裁判所が後見的な立場に立って、管財人や監督員という人たちが指揮をとっていきます。
裁判所が関与するため、公平、平等、衡平な処理が期待できる一方で、迅速性に若干欠きます。
あとは「法的整理」が開始されたことで、ブランドイメージが損なわれる可能性もあります(客離れなど)。


一方、新聞でも言われてる、もう一方の手続が「私的整理」。
これは主要な債権者(銀行や商社)が集まって、どの債権をどれくらいカットするかを話し合いで決めていきます。
法律によらないため柔軟な方法が取れるし迅速ではありますが、裁判所の関与が無いため不透明な手続になる可能性もあり、公平な処理ができない恐れもあります。
ただ、日航のような大きな企業が私的整理を活用するなら、相当程度のディスクローズ(情報開示)はあるはずだから、放蕩に不透明な手続になるかどうかは分かりません(政府の関与もあるだろうしね)。



結局のところ会社更生法で決定したみたいですけどね。
会社更生法だと(民事再生法と違って)担保権まで拘束できるところに大きな利点があります。
要するに債権者全員を手続に巻き込めるため、一体的な債権が可能です。
が、担保権者まで拘束する手続なため、手続が厳格です(多数決要件が厳しいなど)。
ただし、事前に債権者が集まって全部決めてから裁判所に開始申立をするプレパッケージ型なため、手続が開始してからは争いは無いでしょう。手続が始まるまでは相当利害対立があるでしょうが…
ちなみに最近倒産したGMの再建手続きも(アメリカの)会社更生法でした。


どうでしょうか?
ある程度イメージをつかんでもらえたでしょうか?

難しそうに見えますが、やってることは実は単純で、どのくらい借金を削ったら日航が再建できるかをみんなで検討してるわけです。

本当は少額債券の話とかも書きたかったんですが、ちょっとだるくなったのでまた別の(やる気のある)機会に。


今日はこの辺で
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2010.01.09 / Top↑
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